Webメディアの編集長って何するの?自分のやってる仕事内容を書いてみた

Webメディア・オウンドメディアの編集長って何するの?

花田コリぱんだ
花田コリぱんだ

おこんにちは。

コンテンツSEO大好きのオウンドメディア運営者、花田コリぱんだ(@korikoripanda1)です。

先日、とある事業会社のWeb担当の知りあいからこんな質問をいただきました。

知り合い
知り合い

今度会社でオウンドメディアを立ち上げるらしく、いきなりWebメディアの編集長をやってくれって言われたんですがそもそも編集長って何やるんですか?コリさんメディア運営してて編集長っぽいこともしてますよね?

花田コリぱんだ
花田コリぱんだ

あああああ…改めて聞かれるとWebメディアの編集長って何やるんだろ。ひょっとして各会社やサービスのメディアの状況によって役割とかやっていること違うかも…?

なので、自分がやっていることをお伝えするでござる!

というやり取りがありました。

確かに様々なオウンドメディアの運営に関わっており、中には自分が編集長というか責任者っぽいこととかしているんですが(そのため便宜上編集長と呼ばれることもある)、実は今まで編集長の職に就いている方と仕事でご一緒したり知り合いにいたことがなかったんですよね。

そのため、Webメディアにおける「編集長」の業務内容を間近で見たことも教わったこともなかったので特に意識もせず自己流で運営をしていたんですが、今回改めて質問されて「確かに…言語化できてなかった」と気づきを得たのでちょっとまとめてみることにしました。

そもそも編集長って何?

今回記事化するにあたり、自分がそもそも編集長の言葉の定義をよく考えたら把握していなかったので、調べてみることにしました。

Wikipedia先生によると、

編集長(へんしゅうちょう、英語訳 editor in chief)は、出版物の編集上のリーダーであり、全ての運営と方針について最終責任を有する。編集長は組織の全部門を統率し、仕事のスタッフ(編集者)への委託とそれらの管理について責任を負う。この用語は新聞、雑誌、漫画、年鑑、テレビニュース番組でしばしば使用される。

引用:Wikipedia

となっており、編集長は出版物の編集リーダーであり、運営と方針の最終責任を持ち統率する者とのことでした。

Wikipedia先生でも触れられているように僕も個人的には「編集長」って新聞や漫画、雑誌を出版する編集部のトップのイメージだったので、Webメディアでは特に編集長っていうのを意識してこなかったんですよね。

とはいえ、同じコンテンツを作る組織には変わりないのでそっくりそのままWebメディアの編集長も上記の編集長と同義なのだろうなーと感じました。

さらにWikipedia先生では、編集長が責任を負う内容についてこのように具体的な説明をされていました。

編集長の典型的な責任には以下の事柄がある

・事実確認(英語版)、つづり、文法、文体、ページデザイン、写真
・盗用、代作、他所で発表済み、読者の関心をほとんど惹かないと見られる記事の却下
・内容の編集
・論説への寄稿
・編集スタッフの意欲向上と能力開発
・最終稿が完全で不備がないことの保証
・読者の苦情処理と出版後の問題についての仕事
・書籍あるいは雑誌では、引用の照合と参考文献の検査

引用:Wikipedia

上記の事柄はWebメディアというより、新聞や雑誌を前提に書かれた内容についてなのかと思います。

ですが記事コンテンツなどを発信するWebメディアにとってもマストで押さえておかなければいけないところだと思うので、Webメディアの編集長の業務に関して非常に参考になりそうです…!

花田コリぱんだ
花田コリぱんだ

とはいえ、各会社のWebメディアの組織体制やフェーズによっても変わってくると思うので、各メディアの編集長がどのようなことをやっているかはそれぞれの会社で違うんだろうなと思っています。

なので、上記の内容を踏まえたうえで自分が今運営しているオウンドメディアにて編集長としてどういうことをしているか、どういう役割を持っているのかなどを個人的な考えを交えて書いてみたのでどなたかの参考になれば幸いです!

Webメディアの編集長ってどんな仕事しているんだろう?自分のやっていることを書いてみた。

Webメディアの編集長ってどんな仕事しているのか実際に自分の仕事を書いてみた

現在色々なオウンドメディア運営に関わっているのですが、主に自分が編集長的な感じで動いているメディアではどんなことをしているのか列挙してみました。(※前提条件として、自分は事業会社のインハウスSEO及びオウンドメディアの担当です。もしかしたら参考にならない部分もあるかもです…!)

  • ①メディアの方向性や戦略を考える
  • ②数字目標を立て、進捗を管理する
  • ③上との交渉や折衝
  • ④他部署・チームとのコミュニケーション
  • ⑤企画のやる・やらないなどの判断
  • ⑥結果が出たらすぐに共有。イベントなども主催してみる。
  • ⑦編集部の体制やメンバーの構成を考える実行する
  • ⑧記事作成をする

これからWebメディアを運営および編集長をやる方がいらっしゃいましたら参考にしていただけると幸いでございます。

①メディアの方向性や戦略を考える

メディアを運営する、または立ち上げるということは、何らかの狙いや目的(自社サービスへのリード獲得や認知拡大、ファンづくりや顧客とのコミュニケーション・採用活動・広告収益を得るなどなど)があるから行っているはずです。なので、「その目的を達成するためにはどんなメディアがいいのか?」だったり「それを実現するためにはどんなことをすればいいのか?」などの方向性や戦略などをぼんやりと考えてます。

その上で、「このメディアは誰向けに作っていてどんな情報を発信していくのか?」や「メディアがグロースしてどのように会社に貢献するのか」なども合わせて数字を出してみたりして考えたりしてます。

②数字目標を立て、進捗を管理する

方向性や戦略などを考えた後になるのですが、それらを踏まえて数字目標を立てたりしてます。

行動目標だったり結果目標だったりと、そのメディアのフェーズにもよるかと思いますが、基本的に月ごとに目標数字を出して進捗を管理しています。

オウンドメディアを立ち上げたばかりの時、最初に壁になるのがやはりいきなり結果が出ないというところかと。PVやセッションを最初は目標にすることが多いと思いますが、コンテンツSEOをはじめとした記事コンテンツで流入を増やそうとする場合は数ヶ月後か半年後に結果が付いてくることがザラです。

なので目標は、立ち上げたばかりの最初はPVやセッション、CVなどではなく「まずは月5記事アップする」といった行動目標を立ててみるなど、無理のない目標や数字を立てておくと心の平穏が保てるかもしれません。

③上司と目的や数字などの認識を合わせる

立ち上げ当初は暖かい目で見守ってもらえるように

事業会社でオウンドメディアを運営していると避けては通れないのが、上司の方にメディアというものは「基本的に結果が出るのに時間がかかるもの」だということを理解してもらうことかなーと思っております。人によっては、「今月メディア立ち上げたけど全然結果でてないじゃん?すぐにでないの?」という方もいらっしゃるかもしれません。

正直オウンドメディアはいきなりPVやCVなどの数字結果がでるものではなく、時間をかけて泥臭くやっていってようやく結果が出てくるものが多いので、すぐに結果が出ないよ!ということを上司やほかの部署・チームに理解してもらうことがとても大事です。昔の職場の時、営業チームの人に理解されずしょっちゅう「金食い虫」と言われたことも今では良き思い出…(血の涙)

SNSでもSEOでもどんな手法にせよ時間はかかるので「中長期で数か月後にこれくらいになります…!そのためにこれこれの施策をしていきます…!」なざっくりした試算・スケジュールなどを添えて交渉し、暖かい目で見守っておいてもらえるように運営者もとい編集長が握っておくとメディア編集部のメンバーも不安にならずに仕事に邁進できるかと思います。

運営が軌道に乗ったメディアに関しても定期的に方向性などを上司とすり合わせている

また、立ち上げフェーズだけでなく、運営を始めてからしばらくたっているWebメディアに関しても上期・下期の始まりごとに、事業部の目標とメディアで貢献できるであろう部分をすり合わせて注力するポイントを決めるといったコミュニケーションを行っています。

なぜ行うかというと、そもそも社内でWebメディアが存在する目的は、①で触れたように事業部のサービスへ何らかの寄与をするためだからです。なので、メディアとして掲げている目標がその時点での事業部が求める方向性と違った場合、いくら頑張っても評価もされないし、最悪メディア閉鎖なんてこともあります。(人件費などのコストも発生しているので)

なので編集長としてはメディアを存続させるためにも、きちんとメディアが事業部に貢献できること・しようとしていることを上司の方とすり合わせておく必要があるんじゃないかなーと考え日々コミュニケーションをとっています。

④他部署・他チームとのコミュニケーションを図る

メディア運営者として他部署や他チームの人と日々コミュニケーションを図っているのですが、こちらは主に目的が2点あります。

  • ①オウンドメディアでつかえる企画やネタなどがないかアンテナをはるため、または他チームに記事作成をお願いしたり、メディアをハブに使った施策などの連携や協力を要請する
  • ②メディアの社内認知を広げるために、記事コンテンツなどの共有を行う

④-①企画やネタ探し・または記事作成や施策の横展開の連携を図るためのコミュニケーション

自社サービスに関わるWebメディアを運営する中で、記事コンテンツの企画や内容は基本的に編集部内で決めたりしています。また、SEOを狙った記事も作るのですがその場合も狙うべきKWから逆算してユーザーニーズを深ぼりした記事を作成していたりしています。

しかし、自分の所属している部署にはCS(カスタマーサポート)やCS(カスタマーサクセス)といった直接ユーザーさんとやり取りしているチームが存在しているんです…!

せっかく直接ユーザーさんとやり取りしている他チームが存在しているなら、ユーザーさんがどんなことを求めているのか、どんな悩みなどを持っているのかなどの生の情報が手に入るので、情報交換などをしてどんなコンテンツがあれば良さそうかのネタ探しなども行っています。

メディア運営しているとどうしても編集部内でコンテンツのアイディアや記事の種を完結させがちなんですが、ちょっと周りを見渡してみると、意外と簡単に記事のネタやアイディアなどか見つかったりするので、できるなら他チームや他部署とコミュニケーションをとってシナジーを効かせ合ったほうが結果的に素敵なことになるよなーと思っているので日々コミュっています。

④-②メディアの社内認知を広げるために、記事コンテンツなどの共有を行う

基本的にメディアで記事を作成したら、できるだけ社内で「こんな記事をメディアでアップしました!よかったら見ておくんなまし~!」な感じで共有することを心がけています。

なぜそんなことをやるのかというと、事業会社のオウンドメディアってそもそも会社の人達にすら読まれていなかったらどんなにいい数字だしていても長期的には長続きしないんだろうなーと個人的に思っていて、さらに言うと、会社の規模によってはメディアの存在も知らなったりどんなことをやっているかすら認知されていない可能性もあったりするのでまずは社内の人たちにきちんと読んでもらってメディアのファンになってもらいたいな…という淡い想いを持っているからです。

基本的に認知拡大やセッション・PVとかを目標にしている場合、多くの人に読んでもらうことに意識を向けがちになってしまうのですが、たまには社内の人たちにまずは読んで面白いって思ってもらうコンテンツを作ってみよう…!とあえて考えたりもしてます。

⑤企画のやる・やらないなどの判断

編集部メンバーから「こんな記事書いたらいいかも!?」な提案だったり他チームの方とかから「こんな企画どうでしょう!?」などを日々もらったりするのでそれをGOするかどうかをジャッジしたりしています。

基本僕はザルなんでニコニコしてオッケー!なんて言っちゃうことが基本なんですが、さすがにすべてほいほいオッケーしているとリソースが足りなくなってしまうので泣く泣く優先度などを決めたりしています。

⑥いい結果が出たらすぐに共有。編集部の雰囲気を盛り上げるイベントなども主催してみる。

チームでWebメディアを運営している以上、やっぱり編集部メンバーのみんなにはウキウキ★ワクワクしている状態で仕事に取り組んでほしいな~っと思っているので、基本的に自ら盛り上げにいったり、メンバーの書いた記事がいい数字を出したら音速で感謝の言葉も添えて共有したりを日々意識しています。(リアル・チャットツール問わず)

また、イベント地味に主催したりしてまして、メディア編集部メンバーだけではないのですが、毎週マーケチームの定例MTGでチームメンバーをほめちぎる「褒め会」というコーナーを開催したり。

さらには上半期・下半期の最後に、自分主催のチーム内MVPイベントである「コリコリアワード」というものを開催してます。MVPを獲るのは誰だ!?なんて盛り上げといて実はメンバー全員が賞を受賞するというハートフルなイベントに仕上げています。(すべての賞に「変態」というワードをちりばめていますがきっとみんな嬉しいはず…!)

ちなみにこんなスライド作って発表してます

なんでこういうことを率先してやっているかの理由に関しては下記の記事で詳しく説明しているのでチラッとでも興味を持ってくださった方は合わせて読んでいただけると歓喜の極みです…!

チームで働く上で心がけている3つのこと 「商売でなく笑売を」僕がチームで結果を出すために大切にしている3つの事

⑦編集部の体制やメンバーの構成を考える・実現するように実行する

①のメディアの方向性や戦略、②の数字目標に紐づくのですが、決めた目標や戦略を実現させるために今のメンバーのリソースやチーム構成で可能かどうかも考えたりしてます。

編集部内でもそれぞれ作るコンテンツの担当を分けているのですが、この時期はこのインタビューコンテンツを厚くしたいな…!と思ったら別コンテンツの担当にもインタビューに注力してもらったりするなどの調整を行っています。(調整が難しそうだった場合は外注ライターさんを探してアサインするなどもしてます)

基本的には編集部内の担当変更及び担当増員で対応できているのですが、気を付けていることとしては、調整をいれる前にメンバー全員にこの時期の目標・やりたいことなどを共有し、実現するために調整を行うことをきちんと話して納得してもらうことを心がけています。

⑧記事作成をする

記事作成するのが好きだったりするので、自分も手を動かしてコンテンツ作りもしています。

ただ、最近はちゃんと戦略だったり数字周りをきちんと考えたりする時間も設けなきゃなーな感じなので、もっとブーストかけたい時や、他チームと連携して新しいコンテンツを作る時にまずは自分が作成してみてフローを構築した後に引き継いだり、どうしてもスケジュールの関係で人手が足りない時に自分が参加したりとかにとどめています…!(本当はもっと作りたい感Maxなのですが…!)

まとめ

今回はWebメディアの編集長ってどんなことしているんだろうか?という疑問をもらったので改めて自分が「編集長としてこういうことやっているよ!」なことを列挙してみました。

正直それぞれのメディアの編集長によってやっていることは違うと思います…!

なので、あくまで個人的な考えとして参考程度にとらえていただけると嬉しいです。

花田コリぱんだ
花田コリぱんだ

僕自身も他のメディアの編集長ってどういう仕事をしているのか興味ビンビンなので、現役のWebメディア編集長の方がもしお読みになっていたら「こんなことやっているよー」な感じでもいいのでご共有いただけるとコリぱんだ、歓喜の涙を流します…!